社長のためのじょりじょりわかる!税理士ブログ

ややこしいことを、ややこしくなく

意外!?〝〇〇からの教育費の贈与は非課税〟の巻

町田市の税理士 高橋浩之 です。


■■■
生前贈与は相続税の基本。でも、贈与税がかかる

相続税対策の〝基本のき〟は生前贈与です。生きているうちに、財産を子あるいは孫に移しておく。王道ですね。ただし、そのときは、贈与税のことを気にしなければなりません。これもまた〝基本のき〟。

f:id:taxjolly:20160402101120p:plain
 *生前贈与は相続税対策の基本。でも贈与税がかかるのがタマにきず

でも、贈与税を気にしないで、財産を移したのと同じ効果が得られる方法があるのです。ややこしい手続きや申告などはいりません。その方法とはいったい・・・


■■■
扶養義務者からの教育費の贈与は非課税

相続税に、扶養義務者からの教育費の贈与は非課税、という決まりがあります。扶養義務者が教育にかかるおカネを負担しても、教育費を出してもらった人には贈与税はかかりませんよ、という内容です。たとえば、親が子の教育費を出しても、それは非課税という制度。当たり前といえば当たり前。相続税対策とは関係ないようにおもえますが・・・

でも、もしも孫の教育費をおじいちゃんが出したら・・・。出してもらった孫にはもちろん税金はかかりません。では、その親には? もともと教育費を出すつもりでいた親にしてみれば、その分をおじいちゃんからもらったようなものですけど、やはりこちらも税金はかからないんですね。ということで、おじいちゃんから孫に、贈与税がかかからずにおカネを移すことができました。

f:id:taxjolly:20160405063207p:plain
 *おじいちゃんが孫の教育費を負担して相続税対策


めでたし、めでたし。でも、こんな疑問も出てきます。


■■■
おじいちゃんは扶養義務者なの?

それは、おじいちゃんは孫の扶養義務者なの? という疑問です。税金では、ふつうは親が子を扶養親族にしています。おじいちゃんに出番なし。ということは、おじいちゃんに、扶養親族ではない孫の扶養義務はないんじゃないの? 扶養義務がないのなら、孫の教育費を負担しても非課税にならないんじゃない? という疑問です。

安心してください。大丈夫です。

扶養義務と扶養親族は別モノなんですね。扶養義務は民法の世界でのことで、直系血族は互いに扶養する義務を負っています。おじいちゃんと孫の関係はまさに直系血族。

f:id:taxjolly:20160405063224p:plain
 *おじいちゃんと孫には互いに扶養義務がある!

それに対して、扶養親族の件は所得税の世界でのお話です。別々に考えていいんですね。ということで、おじいちゃんが扶養親族でもない孫の教育費を負担してもOK。贈与税はかからないという結論で、今度こそめでたし、めでたし。




*下の「いいね!」ボタンなどを押していただくと、とても励みになります。
少しでも「へぇ」と思ったかたは、どうぞよろしくお願いいたします。