社長のためのじょりじょりわかる!税理士ブログ

ややこしいことを、ややこしくなく

候補はふたり。どちらの扶養親族にするかは話し合いしかない、の巻

町田市の税理士 高橋浩之 です。


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あるひとりを複数の人が扶養親族とすることはできない

たとえば、父が子を税金の計算で扶養親族としたとします。すると、母は、もうその子を扶養親族とすることはできません。それができたとしたら、扶養控除を二重に受けられてしまいます。税金の世界では、あるひとりを複数の人が扶養親族とすることはできないのです。まあ、当たり前、ですかね。

ところが、あるケースではこの当たり前のことに気づきにくいことがあるのです。そのケースとは・・・

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親孝行な兄弟は、ふたりとも父を扶養親族にできる(?)

たとえば、ふるさとでひとり暮らしをしている父に息子が生活費の仕送りをしている。このとき、息子は父を扶養親族とすることができます。

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 *息子は父を扶養親族にできる

ところが、父にはもうひとり息子がいて、こちらの息子も父に生活費の仕送りをしているとします。親孝行な兄弟です。こちらの息子も父を扶養親族にできるはず。

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 *この息子も父を扶養親族にできる

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親孝行な兄弟でも、扶養親族にできるのはひとりだけ

親孝行な兄弟は、条件的には、ふたりとも父を扶養親族にできます。でも、そうしてしまうと・・・、二重に扶養親族にしてしまうので、やっぱりそれはダメなんですね。夫婦と子の場合とちがって、このケースでは二重に扶養親族にしていることに気づきにくい。別々に暮らしている兄弟が別々に仕送りをしているのですからね。それでもダメなものはダメ。

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親孝行な兄弟がふたりとも父に生活費を仕送りしているとき

じゃあ、どうしましょうか? もうそれは、話し合い、しかないですよね。話し合ってどちらの扶養親族にするかを決めるしかありません。

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 *どちらの扶養親族にするかは話し合いしかない

多く仕送りをしている方の扶養親族にするとか、年ごとに交互に扶養親族にするとか。まあとにかく、兄弟の力関係、それぞれの経済力、父との関係、父との物理的・心理的距離、そんなところを総合的に勘案して話し合って、平和的に解決してくださいね。



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