社長のためのじょりじょりわかる!税理士ブログ

ややこしいことを、ややこしくなく

株主代表訴訟論序説、の巻

町田の税理士 高橋浩之 です。


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株主代表訴訟で株主には一銭も入らない

株主代表訴訟なんて聞いたことありますかね? 株主が訴えます。だれを? “会社を” ではありませんよ。訴える相手は、会社の役員。役員のした行為によって、会社が損した。株主が、その責任をとれ、つまり損害を賠償しろと役員に迫るわけです。

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*株主代表訴訟のようす


株主代表訴訟で、損害賠償が認められたとしましょう。そのとき、お金を受け取るのは、だれ? 株主が訴えたのだから、株主がお金をもらえるような気がします。でも、残念ながら株主には一銭たりとも入ってきません。お金を受け取るのは、損害を受けた会社です(ただし、株主は弁護士費用などは会社に請求できます)。

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会社の立場は微妙・・・

つまり、株主は、会社のために訴えるわけです。おれは、会社に損害を取り戻させるために立ち上がっただけさ。───ということは、株主と会社は、役員を共通の敵とする仲間同士になる・・・のかと思いきや、実情はそうではありません。会社としては、うちの役員を訴えてきた憎っくき株主。仲間だなんてとんでもない。

会社の立場は微妙ですね。表面的には株主の仲間です。でも、本心では役員に味方したい。この揺れる思いはどうすればいいのか。答は簡単。内なる声に耳を傾け、旗幟を鮮明にすればいい。実際の訴訟では、会社は株主と共同戦線を張ることも、役員の味方になることも、どちらも認められていますので。

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*こういうのが一番よくない




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