社長のためのじょりじょりわかる!税理士ブログ

ややこしいことを、ややこしくなく

欠損金を引き継ぐためには、連続して申告が必要、の巻

町田の税理士 高橋浩之 です。


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あなたは会社を休眠させた過去を持つ男

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あなたは以前に会社を休眠させた過去を持つ男。このたび、よんどころのない事情で、ある事業を引き受けることになった。あなたは考える。そうだ、おれには休眠会社があるじゃないか。その会社を再開して事業を引き受ければ、新たに会社を立ち上げる必要はないわけだ。

それに・・・休眠会社には欠損金がたっぷりある。休眠にしただけでは欠損金はなくならないらしい。再開したときに欠損金が引き継げれば(控除できれば)節税になるぞ!

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あなたの欠損金に対する認識に間違いはありません。ただ、そのためには、一汗かかなければならない。どんな汗? それは、

───会社の確定申告を、過去にさかのぼって順次行うこと───

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欠損金の控除は、連続しての申告が要件

欠損金を引き継ぐための要件に “連続して申告していること” というものがあります。休眠だからということで申告をサボっていたときは、申告も途絶えている。連続していないので、そのままでは欠損金は引き継げません。

そこで、連続性を確保するためにサボり始めた年度分から順次、確定申告する必要があるのです。本来の申告期限はとうの昔に過ぎているけど大丈夫。白色申告の「期限後申告」ができます。その申告をすることで欠損金を引き継げる!

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*よしっ、スッキリ目覚めて、これから期限後申告だ!

この事実を知ったあなたは、さっそく期限後申告の準備にとりかかった。過去にさかのぼっての申告だ。申告の中身は、収入ゼロ、経費ゼロ、プラスマイナスゼロである。

◆ ◆ ◆

休眠会社が事業再開にあたり、出し抜けに過年度の申告書をまとめて提出する。これで欠損金が引き継げるとは、すこし意外な気がします。でも、制度的には問題なし。

ただし、あまりにも古い欠損金は引き継げません。欠損金は発生した年度から10年が経つと、問答無用で切り捨て、つまり、亡きものにされてしまうのです。



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