社長のためのじょりじょりわかる!税理士ブログ

ややこしいことを、ややこしくなく

赤字に使い道にふたつあり、の巻

町田の税理士 高橋浩之 です。


今期、残念ながら会社は赤字だった。そのとき、赤字は───

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何もしなければ、赤字は将来へ繰り越す

その赤字、何もしなければ将来へ持っていくことになります。持っていって、将来、そのときの利益と相殺する。税金は、相殺後の利益に対してかかるというわけです。その名も欠損金の繰越控除。

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*赤字を将来へ持っていく繰越控除。青色申告をしている法人に限り可能で、最大で10年後まで持っていけます。大企業には、相殺額に制限あり。

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赤字は過去へ持ち戻すこともできる

さて───赤字の使い道にはもうひとつあります。将来へ持っていくのではなく、過去に持ち戻すというもの。前期が黒字ならば、持ち戻して前期の利益を減らします。相殺するわけです。前期は相殺前の大きな利益に対して税金を支払っているので、それでは払い過ぎになる。差額を還付してもらう。その名は欠損金の繰戻還付。

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*赤字を過去へ持ち戻す繰戻還付。こちらも青色申告をしている法人限定です。ただし、持ち戻せるのは前年まで。つまり1年間しか戻せません。大企業には適用なし。

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赤字を将来に持っていく繰越控除には、特別な手続きは不要です。一方、繰戻還付(税金を戻してもらうほう)は、そうではありません。通常の申告とは別に、これこれこれだけの税金をこの口座に返してねという書類の提出が必要なんですね。

面倒? でも、それがやらない理由にはなりません。黒字➡赤字のときは、繰戻還付の検討もぜひ。



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