社長のためのじょりじょりわかる!税理士ブログ

ややこしいことを、ややこしくなく

同じ会社の株式でも人によって価値が違う、の巻

町田の税理士 高橋浩之 です。


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ものの価値は相対的である

先日、テレビで某お宝発見番組をみていたときのこと。出品されたポケモンカードに、なんと(!)700万円もの値がつきました。ほえ~、ポケモンカードに・・・よりによって700万円。そのとき、出演していたゲストが思わずもらした言葉が「こんなものに」

「こんなものに」それはテレビをみていた人々の胸のうちを代弁する言葉だったはず。「こんなものに700万円の値がつくとは。俺(わたし)だったら1万円でも買わないよ」まさに、ものの価値は相対的であることが証明された瞬間です。

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ひとつのモノに、いくつもの価値があることは、一見おかしいことに思えます。でも───ポケモンに興味のない人は1万円でも買わないカードも、興味のある人にとっては700万円にもなることだってある!

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会社の株式にはふたつの権利がある

会社の株式には、大きく分けて、ふたつの権利があります。会社の意思決定に参画することができる権利と配当金をもらう権利です。

あなたはある会社の株式を持っています。でも、その会社は社長一族が支配している。会社は、大株主である社長一族の意のままです。数パーセントしか持ち株割合のないあなたには、会社の意思決定に参画する権利は "事実上" ありません。でも、配当金をもらう権利はあるんですね。こちらは平等です。いくら持ち株数がすくなくても "1株いくら" なる配当金はもらうことができるのです。

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同じ会社の株式でも人によって価値が違う

さて、社長一族の誰かが持っている株式とあなたが持ってる株式の価値は同じでしょうか。同じ会社の株式だから同じような気がします。いやいや、でも待てよ、そうとは限りません。わたしたちは偉大な実例を知っています。同じポケモンカードでも、人によって価値が違うという事実を。

かたや会社の支配権と配当受領権の両方を兼ね備えた株式(社長一族の株)。かたや配当受領権のみの株式(あなたが持っている株式ですね)。この両者の価値は、同じ会社の同じ1株とはいえ違っていて当然です。

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税金の世界でも、株式の価値をそのように考えます。だれが持っているか。支配株主が持っているか、それとも配当を楽しみにするしかない少数株主が持っているか。それによって、株式の評価を変えるしくみになっているんですね(多くの場合、支配株主の株価は高く、少数株主の株価は低くなります)。



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