社長のためのじょりじょりわかる!税理士ブログ

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ポケモンカードの時価は700万円か?の巻

町田の税理士 高橋浩之 です。


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ポケモンカードに700万円の値がついた!

先日、テレビで某お宝発見番組をみていたときのこと。出品されたポケモンカードに、なんと(!)700万円もの値がついたんですね。ほえ~、ポケモンカードに、よりによって700万円。このとき、出演していたゲストが思わずこんな言葉をもらしました。「こんなものに」

「こんなものに」それはテレビをみていた大多数の胸のうちを代弁する言葉だったはず。「こんなものに700万円の値がつくとは。俺(私)だったら1万円でも買わないよ」まさに、ものの価値は相対的なものであることが証明された瞬間です。

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*さすがにこれは「こんなもの」とはいえません。価値にも絶対的なものがあるはずです。くわえて、なんと、本人からの出品⁉

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ポケモンカードの税金上の時価は700万円?

さて、税金は、あるものがある人の所有を離れて、他の人に移転したときにかかることになっています。そのときキーワードになるのが時価。時価に税金がかかったり、時価でやりとりをしなかったら、時価に引き直して税金がかかったり。

そこで、冒頭のポケモンカードです。このポケモンカードの(税金の世界での)時価はいくらでしょうか? やっぱり700万円でOK?

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700万円はマニア価格。時価といえるのか。

税金の世界に時価の定義があります。───時価とは(中略)それぞれの財産の現況に応じ、不特定多数の当事者間で自由が取引が行われる場合に通常成立すると認められる価額(後略)───。要するに、多くの人がその金額で売り買いするのが時価というわけです。んっ? 多くの人?

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*多くの人がこの価格を受け入れて、その価格でバナナを買っているのであれば、バナナひと房の時価は1,000円だ!

多くの人はポケモンカードに700万円出しません。なぜなら一般人にとっては「こんなもの」だから。でも・・・マニアは出す。積極的に出す。時価の定義では "不特定多数の当事者間において" といっています。ということは・・・不特定多数でないマニアの世界の700万円は時価じゃない⁉ 多くの人は1万円でも買わないのなら、時価は限りなくゼロに近い。ええい、面倒くさい。いっそのこと時価はゼロでどうだ!

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過去の売買実例によって、その道の通がつけた価格は時価

700万円かゼロか。さて、どっちでしょう。

これまた多くの人が想像つくよう、さすがにゼロはないですよね。税務上の時価も700万円が基準となるはずです。その金額は過去の売買実例を参考にして、その道の通(つう)がつけた金額ですから。
*実際、700万円がストレートに時価になるわけではなく、700万円なる評価を参考にして決めてね、ということになっています。参考に、といわれても困るんですけどね。




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