社長のためのじょりじょりわかる!税理士ブログ

ややこしいことを、ややこしくなく

2019年7月~預金の仮払い制度ができた! の巻

町田の税理士 高橋浩之 です。


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亡くなった人の預金口座からは引き出せない

どなたが亡くなると、その人の預金口座は凍結されます。引き出せなくなるんですね。たとえ息子さんでもダメですよ。引き出すためには、「相続人みんなで話し合って、預金をこれこれこういうふうに分けることに決めましたと」いう書類を作り、全員が署名押印して、銀行に出さなければなりません。すぐに、お葬式でまとまったお金が必要なのに困ってしまいます・・・

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と、これは2019年6月までのお話。

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預金の仮払い制度ができた!

民法にあたらしい制度ができて、さきほどのような時間がかかる手続きなしで、お金を引き出せるようになりました。2019年7月から可能です。その名も ”遺産の分割前における預貯金債権の行使”。 一般的には、預金の仮払い制度などと呼ばれています。

とはいえ、いくらでも引き出しOKというわけにはいきません。あくまで、ちゃんと分けるまでの間の仮払いですから。預金額の1/3が対象で、あとは引き出す人の法定相続分なるものによって上限がきまります。たとえば、亡くなった人の息子さん(法定相続分1/4)なら、

亡くなった人の預金額:1200万円。息子さんの法定相続分:1/4の場合
●1200万円×1/3×1/4=100万円

息子さんは、銀行の窓口で手続きをすることにより、100万円までなら引き出せるというわけです。この手続きは単独でできます。誰にも相談する必要もなければ、誰かに打ち明ける必要もない。

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なんと、使途はなんでもいい

預金の仮払いとは助かるねぇ。でも、この制度は、お葬式にお金を使う場合など、キチンとした理由がある場合に限られているのかな。とこんな疑問もでてきますが───じつは、この制度では使途は問われないことになっているんですね。ということは、

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*こんな理由でもOK。銀行でも使途は聞かれません(たぶん)。




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