社長のためのじょりじょりわかる!税理士ブログ

ややこしいことを、ややこしくなく

(続)あなたは、会社のお金で息子の授業料を支払った、の巻

町田の税理士 高橋浩之 です。


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会社のお金で、息子の授業料を支払った─────

(前回のあらすじ)
あなたは会社の社長。会社とは一切関係のない息子の大学の授業料を、なんと、会社から直接大学に支払ってしまいました。しかも、1年分まとめて。さて、この支払い、会社としてどのように扱えばいいのでしょうか。まさか、経費にはならないですよね?
blog.takahasikaikei.com

ところが、じつはこれ、会社の経費で問題なし。なぜなら────

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このケースのように、会社がだれかの個人的な支払いをすると、それはその人に給与を支払ったと同じと考えます。その人に、なにがしかの利益を与えたわけですからね。このケースで利益を受けたのは社長の息子・・・ではなく、社長です。つまり、社長に対する給与(広い意味で「現物給与」といえます)。現物給与も、給与であることにちがいはないので、経費になるというわけ。

とはいえ(と、ここから急にマニアックになる)、相手は社長です。社長に対する給与にはいろいろ制約があったはず。毎月一定額じゃなくちゃいかんとか、昇給は決まった時期までにしなさいとか、ボーナスはダメだとか。今回の現物給与は、これらに反するように思えます。─────でも、だいじょうぶ。

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ふつうの社長給与(お金で社長に渡す給与)には、たしかにさきほどのような制約があります。でも、現物給与にはそのような制約はありません。その人が受ける利益が毎月おおむね一定であればいいのです。

授業料の支払いによって学校から提供される教育の量(?)は月によって大きく変わらない。毎月だいたい同じです。つまり、受ける利益が毎月同じというわけで、社長に対する現物給与として経費として問題なしというわけです。

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*受ける教育の量は、毎月同じだ!

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なんとなく、わかったようなわからないような・・・スッキリしないですかね。教育の量が月によって大きく変わらないといったって、夏休みはどうするんだ? こう思うあなたは、つぎのリンクをご覧ください。

法人が役員の子の授業料を一括して支出した場合(定期同額給与)|国税庁


ただし、社長個人に所得税がかかることには、ご留意を。