社長のためのじょりじょりわかる!税理士ブログ

ややこしいことを、ややこしくなく

日本の税務署長は、世界征服をめざす(?)の巻

町田の税理士 高橋浩之 です。


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日本の会社は、全世界所得課税

日本の会社が利益を稼ぐ。稼いだ利益に対する法人税は、日本の税務署に納めます。まあ、当たり前の話。では、その利益が海外で稼いだもののときは? それに対する法人税も、やっぱり日本の税務署に納める?

答は───稼いだ場所に関係なし。日本国内はもちろん、アメリカやヨーロッパ・アジア・アフリカの国々、世界中どの国で稼いだ利益であろうと、それに対する法人税は日本の税務署に納める。つまり、日本の税務署の課税権は全世界に及んでいるわけです。これを称して全世界所得課税(*)といいます。
(*)別名、居住地国課税

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*これぞ日本の税務署長。
世界征服をめざしているみたいで、ちょっとイカす。

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アメリカでの利益にはアメリカでも税金がかかる

ということで───たとえば、あなたの会社がアメリカ支店をつくり、商売を始めたとします。そのアガリは、アメリカ支店が、アメリカ人相手に、アメリカで稼いだ利益。その利益に対する税金も日本の税務署へ納めるということになる。なんせ全世界所得課税ですから。

でも、そうなると、アメリカは黙っていません。自国の領土での稼ぎですからね。ウチのシマを荒らしやがって、あいさつなしか。ショバ代払わんかい。こういう意味のことを英語で言ってきます。

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そのとき、日本人の特性として、ついついあいまいな笑顔で応じていると・・・結局アメリカ支店の稼ぎに対する税金は、アメリカにも納めることになります。このように、稼ぎの源(みなもと)がある国に税金を納める。これを称して源泉地国課税といいます。

んっ? ということは───アメリカ支店での稼ぎに対する法人税は、日本の税務署へ納めて(全世界所得課税)、アメリカにも納める(源泉地国課税)? これはいわゆる一つの二重課税じゃないか!

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日米両首脳にとってはそれぞれ税収があり、不都合なことはありません。でも、二重に税金を納めるあなたの会社はたまったもんじゃない。この国際間における二重課税、どうにかなるんでしょうか。つづきは次回。




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