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ややこしいことを、ややこしくなく

国税庁が ”節税保険” にまったをかけた、の巻

町田の税理士 高橋浩之 です。


最近「国税庁が節税保険の課税見直しを検討している」との報道がありました。

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ところで、節税保険って、いったいどういう仕組みだったけ?

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節税保険は単なる税金の支払時期の先延ばし(?)

節税保険なるものに入って保険料を支払えば、会社の税金が少なくなる。なぜか。保険料が経費になって利益が減るからです。利益が減れば、税金も減る。なるほど、節税保険の看板に偽りなしだな。入ってよかった~。とそのときは思うかもしれません。でも───

支払ったときに節税になった税金は、いつか納付することになるかもしれないんですね。いつかとは、保険を解約したとき。解約したときに解約の戻りがあれば、それに対して税金がかかるというわけです。その限りにおいては、税金の納付時期を先延ばしにしただけで、節税でもなんでもない。

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しかし、と保険会社の人は言うでしょう

しかし、と保険会社の人は言うでしょう。解約の戻りにあったときに社長、あなたが退職すればいいんですよ。退職して退職金を支払えば、解約の利益と支払う退職金がぶつかり合って利益はゼロ。税金の納付なし。めでたし、めでたしです、と。でも───

解約は、戻り率がピークのときを狙ってするわけです。そうはいってもそのときに都合よく退職できる状況にあるとは限らない。また、そもそも保険料の支払期間中は常に利益が出ていなければ、保険料の支払いによる節税効果自体がありません。


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こんな仕組みの節税保険。はまれば効果は大きい。でも、思い描いたようにいかないことも多々あるようですね。ちなみに、今回の報道までは ”節税保険” なる言葉はあまり使われなかったような気がします(”全損保険” はよく聞きましたが)。



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