同じ会社の株式の価値は、だれが持っていても同じ、ですよね? の巻
町田の税理士 高橋浩之 です。
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あるところに、ふたりの株主がいました
あるところに、ふたりの株主がいました。非上場会社の株主です。ひとりの持ち株割合は90%。もうひとりは10%の株を持っています。ふたりは赤の他人、かつ、一方が白と言えば他方は黒というような間柄です。
*ふたりは赤の他人(親族関係なし)、かつ、対立関係にあり。
さてさて、この10%株主は、自らが提案する株主総会の議案のうち、10にひとつは通すことができるでしょうか──。10%の株を持っているわけだからな。10分の1で、1回は通るはず。油断すると、ついついこんなことを考えてしまいそうです。
でも、もちろんそんなことはありませんよね。全敗です。0勝10敗。株主の力の源泉は持ち株数、議案はひとつひとつ決議していくので、その都度負けて(相手は90%持っている!)、結果として10連敗というわけです。これは100の議案でも同じですよ。奇跡は起きない。逆に90%株主の提案はすべて通る。このケース、会社は90%株主に支配されているといえるのです。
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10%株主の希望は、配当のみ(?)
10%株主は思います。どうせ俺なんて・・・。どうせ俺の意見なんて無視されるんだ。どんな提案をしたって株主総会で否決されて終わりだ・・・。
そんな失意の中、10%株主は、配当は裏切らないことに気づきます。そうだ、配当は裏切らない。配当は持ち株割合に応じてもらえるわけだからな。議案だと0勝10敗だけど、配当は・・・ゼロじゃない!
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ふたりの持つ株式の価値は同じ?
──さて、仮にこのふたりが同時に亡くなったとします。相続税の申告が必要です。相続税の申告では、持っている株の価値はいくらか、つまり株の評価をしなければなりません。
株の価値? ふたりの持っていた株は同じ会社のものでしたね。持株割合がちがうとはいえ、あくまで同じ会社のものです。とすると、価値は同じはず。同じ会社の株で価値がちがったらおかしいですよね? 一株あたりに換算すれば、単価はいっしょでいいですよね?
(つづく)
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