ダブルアイリッシュ&ダッチサンドイッチとはなにか? の巻
町田市の税理士 高橋浩之 です。
パナマ文書の流出で、おおくの人の知るところになったタックスヘイブン。タックスヘイブンに関する新聞記事などで、ダブルアイリッシュ&ダッチサンドイッチなる聞きなれない言葉を目にした方もいらっしゃるのではないでしょうか。それは、某巨大IT企業が考案したとされる節税手法。ダブルアイリッシュ&ダッチサンドイッチとはいったい?
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ダブルアイリッシュ&ダッチサンドイッチとはなにか?
むかし、むかし、ある静かな里におじいさんとおばあさんが住んでいました。おじいさんは山へ芝刈りに。おばあさんは川へ洗濯に。ふたり仲良く、のんびり気ままに暮らしていました。
*おじいさんとおばあさんがのんびり気ままに暮らしていました
おじいさんの刈った芝は、町で売ることができました。ふたりは会社をつくりました。
ある日のこと。おじいさんとおばあさんの住む里に、旅行中のアメリカ人敏腕コンサルタントが立ち寄りました。ふたりが会社を持っていることを知ると、敏腕コンサルタントは興味津々で聞いてきました。「日本の税制に興味がある。日本の法人実効税率はどのくらいだい?」
*敏腕コンサルタント「日本の法人実効税率はどのくらいだい?」
おじいさんは、税率表を見せました。
「どれどれ、・・・な、なんだって!?」敏腕コンサルタントは、信じられないといった表情になり、叫びました。
「ク、ク、クレイジーだ! 二けたの税率だなんて。数パーセントの税率で済む方法があるのに。オー、マイガッ!」
*敏腕コンサルタント「オ~、マイガッ!」
「よし、その方法を教えよう」「タックスヘイブンを使うんだ。タックスヘイブン、そうだな、バージン諸島に管理会社を設立しろ。つぎに、アイルランドに子会社をふたつ作って、バージン諸島の会社に管理させるんだ」「カネの流れにはオランダ法人をかませるんだぞ」「ダブルアイリッシュ&ダッチサンドイッチだ!」
タックスヘイブンにダブルアイリッシュ&ダッチサンドイッチ・・・ずいぶんと大げさな話じゃわい。わしの会社は均等割しか納付していないというのに。おじいさんはそうおもいましたので、こんなことを尋ねました。「そんな大げさなことして、わしらに何かいいことがあるんか?」
「もちろん・・・まずその節税スキームでカネが貯まる。そのカネで・・・おっと、肝心なことを聞いていなかったな。じいさんの会社の納税額は年間どのくらいだ? 最低でも数百万ドルはあるんだろうな?」「んっ? なんだって? 日本円で7万円? WAHAHAHAHAHA~、なかなかおもしろいジョークだ。で、じいさん、ほんとうはいくらだい?」
敏腕コンサルタントの問いに、おじいさんはありのままであることを強調しました。すると・・・、敏腕コンサルタントは何をおもったのでしょうか、そそくさと帰り支度をし始めましたとさ。
*敏腕コンサルタント「さ、帰ろ、帰ろ」
作者注:詳細を語る前に敏腕コンサルタントはいなくなっちゃいましたね。今さらですが、上にあるような手法はアイルランド政府の規制により現在は通用しないそうです。ということで、ダブルアイリッシュ&ダッチサンドイッチについてはこれでおしまい。つづきは無し。 |
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