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現金主義の会計では不都合なことがおきたり、利益操作ができてしまう、の巻

町田市の税理士 高橋浩之 です。



現金主義の会計では不都合なことがおきたり、利益操作ができてしまう、の巻

現金主義は簡単で、わかりやすい

会計の世界に、現金主義という考え方があります。

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*おれが信じるのは、自分と現金だけだ。なぜなら、おれはおれを裏切らないし、現金もまた、おれを裏切らないからだ。

これは、現金主義ではなく、現金至上主義

もちろん、現金主義は現金至上主義とはちがいます。

現金主義では、現金(銀行預金も含めたひろい意味でのおカネ)を受け取ったときにそれを収入にして、支払ったときにそれを経費にします。逆に、おカネがうごかなければ、収入も経費もなし、です。

こんな現金主義の会計は、簡単だし、わかりやすい。


現金主義では不都合なことがおきる

でも、現金主義では不都合なこともおきてしまうんですね。

たとえば・・・、
日曜日には振込がされません。ということは、たまたま決算日が日曜日だと、その日に振り込まれるはずの売上代金が翌月曜日(そのときは期がかわっている)に振り込まれます。でも、その売り上げは、来期のものになってしまう。

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 *たまたま期末が日曜日で売上代金が振り込まれないと、売上が減少する!

それは、困る。というか、決算日の曜日によって会社の業績が左右されるなんて、ヘンだ!

それ以外にも、支払日をズラすことによって、経費の計上日を操作できてしまいます。それは、会社の利益を思うがままに調整できることを意味します。それでは信頼できる会計制度になりません。


ということで、いまの会計制度は、現金の動きではなくて、事実の発生によって収入や経費を計上することになっているのです。



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