税金についてよくあるカン違い、の巻
町田市の税理士 高橋浩之です。
つぎのお話の中には、よくあるカン違いが1か所があります。
それは、どの部分でしょうか?
むかし、むかし、ある里におじいさんとおばあさんが住んでいました。
おじいさんは山へ芝刈りに。
おばあさんは川へ洗濯に。
ふたり仲良く暮らしていました。
おばあさんは、近所の人から洗濯物を預かり、洗濯の代行業を始めました。
そこそこの収入になってきたので、ふたりは会社をつくりました。
会社の申告が近づいてきたある日のこと。
おじいさんとおばあさんは、郵便物を手に、語り合っていました。
「税務署から申告書が3通送られてきたわい」
「こんど税理士さんに渡しましょう」
その会話にたまたま近くにいたアメリカの敏腕コンサルティングのジョンが口をはさんできました。
*敏腕コンサルタントのジョン
「じいさんたちは、会社のオーナーなのか?」
「ちいさな会社をやってるよ」
「そうか。では聞くが、日本の法人税の税率はどのくらいなんだい?」
「税率表がここにある」
「どれどれ、・・・な、なんだって!?」
税率表を見たジョンは、信じられないといった様子で、
「日本の法人税率はこうも高かったのか。この老夫婦の税理士は節税を提案しないのだろうか?」
しばらくうなっていたジョンですが、すぐに気を取り直しました。
「よし、いいことを教えよう。節税の方法だ」
「すぐに本店をケイマン諸島に移すんだ。ケイマン諸島がどこにあるって?そんなことは知らん。でも、ケイマン諸島に利益を集中させるんだ」
「場所もわからないのにムリだって? そうだよね・・・え~と、どうしようかな・・・、え~い、そんな小さなことは気にするな!実効税率がひとケタ台まで下げられるんだから」
「合法的な節税スキームだと聞いた覚えがかすかにあるような気がする」
「税務署が何か言ってきたら・・・え~と、どうしたらいいとおもう?」
おじいさんは、心配になって、こんな質問をしました。
「あんたはあいまいなことばかり言うが、そんなんで大丈夫なのかい?」
敏腕コンサルタントのジョンは、急に自信満々になってこう答えましたとさ。
「ノープロブレム。ウィキペディアだ。ウィキペディアで懸命に調べる。それがわたしのクオリティだ。ずっとそうしてきたし、これからだってそうだ!」
■明らかなカン違い■
さて、明かなカン違い。それは、おじいさんのもらしたひと言でした。
税金に関する書類は、すべて税務署から。
よくあるカン違いです。
決算が終わったら、会社は税務署、都道府県税、市役所の3か所に申告をします。
したがって、申告書類もその3か所から、それぞれ送られてくるのです。
*下の「いいね!」ボタンなどを押していただくと、とても励みになります。
少しでも「へぇ」と思ったかたは、どうぞよろしくお願いいたします。