医療費控除は、医療費が戻ってくる制度ではない、の巻
町田の税理士 高橋浩之 です。
医療費控除は、医療費が戻ってくる制度ではない
税理士は、いまの所得税の確定申告時期には、さまざな相談会の相談を担当することがあります。
相談員をしていると、ごくごくまれにこんなことが────
医療費控除の適用をしたいと相談にきた方。そうですかと、差し出す源泉徴収票に目をやると、税額欄の金額はゼロ。つまり、年末調整で、すでに天引きされていた所得税が全額還付されているというわけです。ほかに収入もない。ということは、申告する意味はない。納付も還付もないわけですから。その旨をお話しすると、曰く。
いや、もちろん病院などで医療サービスをうけたわけですから、ムダではない。医療費は、医療費控除をうけるためのものではありません(当たり前)。
個人事業を営んでいる方。事業についての計算が終わると、これまた医療費控除に話が及ぶ。そうそう、今年は入院しましてな。ずんぶん医療費がかかりました。がんばって集計してきましたと明細書を差し出します。
その医療費によって、納付することになりそうだった所得税はゼロに。その旨をお話しすると、曰く。
ないんです。医療費控除は所得税を少なくする効果はあるけれど・・・必ず還付金が発生するわけではありません。
どちらのケースも、医療費控除は医療費が戻ってくるものとカン違いしていることが原因です。
医療費控除で少なくなるのは、所得税。医療費そのものが戻ってくる制度ではありませんので、カン違いなきよう。
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