社長のためのじょりじょりわかる!税理士ブログ

ややこしいことを、ややこしくなく

負の “のれん” は買収した会社の利益になる、巻

町田の税理士 高橋浩之 です。


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安く買収すると、負の “のれん” が発生する

あなたの会社がA社を買収しようとしています。買い取り相場は100。でも、あなたの会社はそれを上回る150での買収を考えています。なぜか。それは、A社の目に見えない価値を評価したから。その目に見えない価値を “のれん” といいます。

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*(150-100)で50が “のれん” です

企業買収の世界では、このように、“のれん” が発生することが通常かもしれません。ところが、逆のケースもあるんですね。逆? そう逆。買い取り相場よりも安い価格での買収です。世の中にはいろいろある。このときの相場との差を負の “のれん” といいます。マイナスの “のれん” ですね。

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*(80-100)で20が “負ののれん” です

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負の “のれん” は買収した会社の利益になる

負の “のれん” は、単純に「得した」結果です。相場より安く買えたんですからね。差額は得した金額。ということで、負の “のれん” は、そのまま買収した会社の利益に計上することになっています。ということは───

ということは、業績不振の会社をつぎつぎに安い価格で買収すれば・・・負の “のれん” 効果によって利益をどんどん膨らますことができてしまう! 本業の業績とは関係なしに。

と、それをやって、前期は利益のうち大半を負の “のれん” が占めたけれど、今期はそれができなくて赤字になりそうなのが、よりによってダイエットで有名な会社。ダイエット会社が、ぜい肉で利益を膨らせてどうする。世の中にはいろいろある。

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*結果にコミットする前(左)とその後(右)。いうまでもないですが、上でいうぜい肉は、負の “のれん” で膨らんだ利益のことです。念のため。




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