増減BSで利益の行き先を追え!の巻
町田の税理士 高橋浩之 です。
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見向きもされない(?)BS。でも活用しない手はない
貸借対照表。英語だとバランスシート(BS)。その名のとおり、左右のバランスがとれていることに由来します。以下、貸借対照表をBSと呼びましょう。
このBS。誰もが聞いたことがあるわりには、見向きもされていないように思えます。損益計算書(PL)のように、売上高とか仕入とか〇〇費とかなじみの項目が載っていないからかな。さらに致命的なのは利益が載っていないこと。社長が一番気にする利益が載っていないBSは、見向きもされないくても仕方ない(?)。
でも、BSは、少し加工するだけで利益の行き先がクッキリと浮かび上がってくる。活用しない手はないのです。
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たとえば、こんな風に加工してみよう
BSはある一定時点での会社の資産・負債・純資産を表したものです。それをちょっと加工して、ある時点からの増減額で表してみましょう。名付けて増減BSです。
*ある時点のBS。その後のある時点のBS。その間の増減を表しています。
色のついた部分に注目です。まず、右下。ある時点から純資産が16,000増えています。これはその期間の利益と同額です。つぎは左上。ある時点から預金が18,000減った。こういうことを表しています。
どういうことでしょう? 利益が出ているのに、預金が減ってしまっている。利益が出たというのなら預金が増えて然るべきだ。それなのに減っている。しかもちょっとやそっとじゃない! 利益はどこへ行った⁉
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増減BSで利益の行き先を追え!
利益はどこへ行った⁉ その答えは、もうこの増減BSにはっきりと出ているんですね。まず借入金。これが24,000減っています。利益が借入金の返済に回ったことを意味しています。つぎに、他の資産が15,000増えている。これもまた、利益が他の資産なるものに回っていることがわかります。
利益の行き先は、借入金と他の資産。つぎはその中身を探っていく必要がある。借入金返済の内訳は? 今後の返済予定は? 他の資産とは具体的に何? 増えた理由は? そんな風に中身を探ることによって、傾向、そして対策が浮かび上がってくるはずです。
古人曰く。〝敵を知り己を知れば百戦危うからず〟会計は、いってみれば己を知るための手段。己を客観視できる方法です。増減BSによって、己をより知ることできるのです。増減BS、ぜひ、ご活用を!
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