社長のためのじょりじょりわかる!税理士ブログ

ややこしいことを、ややこしくなく

サラリーマンの所得税は直接税か? の巻

町田の税理士 高橋浩之 です。


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サラリーマンの所得税は、直接税か?

かんせつぜい【間接税】税金を負担する人(=担税者)と税金を納める人(=納税義務者)が違う税金のこと。代表的なものに消費税、酒税などがある。<対>直接税。

税金の種類を区分する概念として、直接税、間接税があります。先日のこと。わが家の高校生の息子が、母親(つまり私の妻)に、サラリーマンの所得税は会社が支払うのに、なんで直接税なの? と聞いたらしいんです。

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いやいや、サラリーマンの所得税は、間接税では?

うむ。たしかに、サラリーマンの所得税は、本人が負担して(つまり、給与から天引きされて)いるけれど、税務署には会社が納付している。所得税は直接税といわれるけど、サラリーマンの所得税は・・・・・

たとえば、会社が社員に給与を支払うときに所得税を差し引かなかったとします。すると、税務署はその分を会社に催促してきます。催促された会社は仕方なく(?)納付する。でもそれは会社の税金ではないので、後日社員に請求するわけです。つまり、会社と税務署の関係が、会社の社員の関係になるわけ。当然、会社と社員のやりとりには税務署は知らんぷり。あとは勝手にやり取りしてね。こっちはもう知らん。サラリーマンの所得税の仕組みは以上のとおりなんですね。←これを直接税というには無理があるような気がします。

わが事務所の権威ある(と思われる)本では、上にあるような仕組みは、いわば手続法上の措置であって、源泉徴収義務者(会社のこと)は実体法の理論上の納税義務者ではない、うんぬんかんぬん、と説明しています。う〜ん、万人を納得させる力強さに欠けるね。

まあ、実務では、ある税金が直接税か間接税かなんて、気にする人はおそらく皆無でしょう。もちろん、私だってあまり関心はない。

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 *書いている本人には関心なし⁉

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父は、そそくさと寝る準備を始めた

さて───、冒頭の息子の質問に対して、母はなんと答えたか? 会社は単に納付という手続きを代行しただけ。だからサラリーマンの所得税は直接税。こう言ったらしい。なんと、わが事務所の権威ある(と思われる)本とおなじ理論展開じゃないか!

それを聞いた父であり税理士である私はどうしたか? 本質をついた答えだねと膝をたたくこともなく、親子で源泉徴収制度の矛盾点を鋭くえぐったねとも言わず・・・。あしたの朝も早いので、そそくさと寝る準備を始めましたとさ。

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 *関心あるのは寝ることだけ⁉



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