社長のためのじょりじょりわかる!税理士ブログ

ややこしいことを、ややこしくなく

資本金に関係なく利益たっぷりの会社は、中小企業のための優遇はうけられなくなる、の巻

町田の税理士 高橋浩之 です。


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小さな会社は税制で優遇されている

あなたがおもう大企業の基準はなんですか? 従業員の数? 上場か未上場で判断する? それとも、テレビCMのありなし?

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 *あなたのイメージする大企業の要件とは?

日本では以前から大きい会社か小さい会社かの判断は、もっぱら資本金の額が基準です。それは税金の世界でも同じ。資本金1億円で線をひいて、それ以下の会社は中小企業。そんな中小企業は経営基盤が相対的に高くないので、税制では優遇(=税金を安く)しようじゃないか。←こんな扱いになっているのです。

以前、家電大手のシャープが資本金1億円に減資をしようとしたことが話題になりましたよね。結局頓挫しましたが・・・。これは、中小企業になって税制の優遇をうけることが大きな目的でした。f:id:taxjolly:20170119080609p:plain:w480
*目の付けどころはシャープでしたが、結局は頓挫。


ところが、その伝統的な考えが2017年度(平成29年度)の税制改正で少々変わることになります。

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利益たっぷりの会社は中小企業ではなくなる(?)

どう変わるのか? 資本金が小さくても、利益たっぷりの会社は税制上の優遇が認められなくなるんですね。いまは、資本金だけでみます。だから、資本金1億円以下⇒利益がン百億あろうと優遇される。それが改正後はダメになる。たっぷりとは、過去3年間の平均利益が15億円です。

つまり、多くの利益を出している会社は、たとえ資本金が小さくても経営基盤が弱いとはいえないよね。優遇しないよ、というわけ。見た目(=資本金)から中身(=利益)への転換です。

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 *資本金という見た目よりも、利益という中身を重視

ただし、数ある税制上の優遇、そのすべてがダメになるわけではありません。じつは、優遇措置には種類があるんですね。いつからいつまでに限って優遇するよ。こういう期限を区切ってのものだけが規制の対象となります。期限なしの優遇措置は、今までどおりです(資本金が基準)。



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