社長のためのじょりじょりわかる!税理士ブログ

ややこしいことを、ややこしくなく

ふたつの市に事業所があると・・・、の巻

町田市の税理士 高橋浩之 です。


ふたつの市に事業所がある会社があるとします。ここで問題。その会社の支払う法人市民税は、ひとつの市にしか事業所のない会社と比べて、高くなる? それとも安くなる? さて、どちらでしょう。

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均等割はふえる!

ふつうに考えて、そりゃ高くなるとおもいますよね。もちろんそれは正解。会社が支払う法人市民税に均等割という税金があります。均等割は事業所がある自治体に支払います。しかも、利益のあるなしに関係がないので、事業所がある自治体の数だけ、必ず均等割を支払わなければならないんですね。

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 *ふたつの市に事業所があれば、それぞれの市に均等割を支払う

ということで、ふたつの市に事業所があれば、均等割という税金がふえる。

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利益に対していくら、という税金は減る!

一方、法人市民税には均等割のほかに、利益に対していくら、という税金があります。所得割といいます。利益に応じて支払う税金です。赤字の会社にはかかりません。

じつは、この所得割、ふたつの市町村に事業所があるときは安くなる仕組みになっているのだ! 所得割はつぎのように計算します。

1)会社全体で所得割の計算の基礎となる金額を計算する
2)1)の金額を従業員数によって各市に配分する
3)各市ごとに、配分された金額に応じて税金を計算する
4)3)の合計金額がその会社の支払う所得割

からくりは、2)と3)にあり。それぞれの計算で〇〇円未満切捨てという端数処理をするんですね。ということは、端数処理をする回数の多い、ふたつの市に所在する方が、合計したときの所得割が少なくなる!

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 *こりゃ、実践の価値あるかな・・・

───だいたいお気づきの方多いでしょうが・・・、端数処理による違いですので、安くなるといっても数百円のこと、実践の価値はありませんので。念のため。
※さらに補足。端数処理の必要がないような、キリのいい金額のときは安くなることはありません。


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