社長のためのじょりじょりわかる!税理士ブログ

ややこしいことを、ややこしくなく

その車は、いったい何か月使ったんだい? の巻

町田の税理士 高橋浩之 です。


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減価償却費は月数按分する

たとえば会社で車を買ったとき。その購入価格は、毎年毎年少しずつ経費にしていきます。そのための計算がおなじみの減価償却。

減価償却に使う率は、車を1年通じてずう~と使っていた場合の率です。したがって事業年度の途中で買ったときは、年間の減価償却を計算したあとに、それ掛ける ”12分の使った月数” という計算もする必要があります。月数按分というわけですね。その車はいったい何か月使ったんだい? この答が購入年度の減価償却費のカギになる。

では、たとえば3月31日に買った車は何か月使ったことになるんでしょうかね?

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あなたの会社が4月決算なら───

あなたの会社が4月決算なら、3月31日と4月まるまる1か月、つまり、1か月と1日使ったことになる。月数は、1か月に満たない端数は1か月とします。ということは、答は2か月か? いやいや、じつは───つぎのように数えます。

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4月は30日で終わりです。なければ仕方ありません。月末の4月30日で1か月経つことにしよう。

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*ただし書きにより、4月30日で1か月!

つまり、このケースは買った3月31日から期末の4月30日までは、ぴったり1か月。端数なし。減価償却は1/12で計算します。

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あなたの会社が5月決算なら───

では、5月決算なら? 4月決算が1か月なんだから5月決算なら2か月になるんじゃない? こう思いたくなります。でも正解は、なんと3か月! 3月31日から4月30日で1か月。さらに5月31日で2か月・・・ではなく、その前日5月30日で2か月という数え方をします。

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加えて5月31日がある。つまり、2か月と1日(5月31日)で3か月というわけです。減価償却は3/12で計算します。

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なぜこんな不公平(?)が起きるかといえば、すべての月の終わりの日が同じでないから。あなたの会社の決算月が2月、4月、6月、11月(西向く侍)ならあきらめるしかない。数か月前の月末に買った資産の減価償却は、他の月が決算月である会社に比べて1か月少なくなることを。



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