社長のためのじょりじょりわかる!税理士ブログ

ややこしいことを、ややこしくなく

貸借対照表に当期の利益は載っていないけれど、それを知る方法がある、の巻

町田市の税理士 高橋浩之 です。


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損益計算書で利益がわかる。貸借対照表では?

会社の決算書での主役は、貸借対照表(以下BSといいます)と損益計算書(以下PLといいます)です。決算であなたがもっとも気になること。それはもちろん、当期の我が社は黒字なのかそれとも赤字なのか、ですよね。それを知りたければ、PLを見ればいい。PLを見れば、黒字か赤字かがわかります。PLには当期の利益が載っているんですね。

では、BSには? 決算書の表紙をめくると、まずBSがある。ということはBSのほうがPLよりも格上(?)のような気がします。そんな格上のBSを見て、当期が黒字か赤字かがわかるのでしょうか? BSに利益が載っているのでしょうか?

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BSには繰越利益剰余金という言葉がある

BSを見てみましょう。BSにも「利益」という言葉が載っています。よく見てみると、右下のほうに「繰越利益剰余金」との記載があるんですね。うむ。これが我が社の当期利益のことかいな? でも、気になるのは「繰越」という言葉。それに金額がやたらと大きい。

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 *むむっ、これが我が社の当期利益か?

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繰越利益剰余金は〝当期だけの〟利益ではない

「繰越利益剰余金」とは、利益は利益でも〝当期だけの〟利益ではないんですね。設立から当期まであなたの会社が積み重ねてきた利益の合計額。←これが繰越利益剰余金の正体です。

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ということで、BSに載っているは利益らしきものは、当期の利益ではありませんでした。残念ながら、BSに当期の利益は載っていない──。

な~んだ、そうなんだ。BSでは当期利益はわからないのね。格上のような顔してるくせに使えないじゃん。一番知りたいのは当期の利益なのに・・・。こんなことを思うなかれ。じつは、BSをみて当期の利益を知る方法があります。

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BSを見て当期利益を知る方法

BSで当期利益を知る。そのためには、2期分のBSが必要です。2期分のBSが揃ったら、繰越利益剰余金を比べてください。繰越利益剰余金はその年度までの利益の合計額でしたよね。ということは、ある年度とその前の年度の繰越利益剰余金を比べて・・・、増えている分がその年度の利益だ!(減っていればその分が赤字)

むかしむかしは、2期分用意しなくても、つまりその年度のBSだけで当期の利益がわかる時代はありました。でも今では、BSだけで当期の利益を知るには、2期分のBSが必要なのです。

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