社長のためのじょりじょりわかる!税理士ブログ

ややこしいことを、ややこしくなく

遺言のすゝめ、の巻

町田市の税理士 高橋浩之 です。


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よく聞くフレーズ「うちは争うほど財産ないから」

お客さまとの雑談で相続税のことが話題になることがあります。遺産の分割争いになったらたいへんだね、と話が膨らんたところでよく聞くのがこんなフレーズ。「でも、うちは争うほど財産ないから」

おれはそんな財産ないから遺産分割の争いなんて別の世界の話さ。言いたいことはわかります。でも、ほんとうに財産が少ないかどうかは別にして(⇒そう言う人ほど持っている)、意外なデータを紹介しましょう。

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遺産が少ないほど分割の争いが多い(?)

最高裁判所の統計─ 平成23年度遺産分割事件等の統計データ集 ─によると、全遺産分割争い事件のうち、財産が1,000万円以下の家庭の割合は、なんと31%! 裁判所に持ち込まれる相続争いの3件に1件は、財産が1,000万円以下なんですね。

それに財産が5000万円以下の家庭の割合を加えると、76%に及びます。4件に3件が財産5,000万円以下の家庭での遺産分割争いです。意外な感じがしませんか? 遺産分割争いなんて、もっともっと財産のたくさんある家のこと。なんとなく、そう考えていませんでしたか?

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やはり、有効なのは遺言

争いの原因はそれこそさまざま。上のデータにあるように財産が少ないからといって安心はできないようです。

分割のしようのない不動産が大半。兄貴は結婚のときに多額の援助をしてもらったけどおれにはなかった。最後まで親の面倒をみたのはおれだ。各家庭の固有の問題、相続人たちの感情も絡んできます。これで遺産争い対策は万全。特効薬のような対策は、おそらくありません。

そんな中でも有効なものはといえば、やはり遺言です。もちろん、遺言があるから争いが起きないということはありません。でも、意思を残しておくことは大切。最後にモノをいうのは故人の意思ということもあります。

遺言を残しておくことで、遺産争いのリスクは少なくなるのではないでしょうか。


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 *ダメだこりゃ。そういう意味の愛するじゃなくて・・・
  遺産争いの前に家庭争議勃発ですな



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