社長のためのじょりじょりわかる!税理士ブログ

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なぜ、会社の預金利息からは住民税が差し引かれなくなったのか? の巻

町田市の税理士 高橋浩之 です。


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会社が受け取る預金利息から、住民税が引かれなくなる

預金利息から差し引かれる税金の率は、20.315%です。この率が2016年1月から変わります。利息を受け取るのが個人なのか、会社なのかによって、
 ●個人がもらうとき
  ⇒20.315%(所得税15.315%、住民税5%)⇒これまでと変わらず
 ●会社がもらうとき
  ⇒15.315%(所得税のみ)⇒住民税なくなる

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*2016年から預金利息から差し引かれる税金が変わる

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会社に対する住民税の減税ではない

これ、一見すると会社に対して住民税の減税をしたように感じるかも知れません。でもそうではなくて、会社は、結局は決算のときに利息に対する住民税を支払うんですね。住民税が非課税になったわけではありません。

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手間と手数料を減らすために・・・

では、なぜ会社からだけ住民税が引かれなくなったのか? それは、事務負担と経費の削減のため。

いま、赤字法人の割合は全体のおよそ70%です。その70%の会社は税金を支払う必要はありません。そこでいままでは、赤字の会社には、すでに差し引いた預金利息の5%の住民税を還付していたんですね。会社の口座に振り込んでいたんです。

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ところが、ご存知のとおりこの低金利の時代です。還付する金額が何円、何十円なんてこともあるわけです。その何円、何十円の還付のために何百円かを使って振り込みをする。その手間と手数料たるや・・・。そこで、それらを削減するため、住民税の差し引きをやめたというわけ。

これで、あとから還付する必要はなくなりました。めでたし、めでたし。



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