簡易課税には3つの制約がある、の巻
町田市の税理士 高橋浩之です。
簡易課税には3つの制約がある
税務署に納める消費税は、預かった消費税から、負担した消費税を差し引いた残りです。
負担した消費税の計算方法には、原則と簡易課税の2種類があります。
むかし、むかし、ある里におじいさんとおばあさんが住んでいました。
おじいさんは山へ芝刈りに。
おばあさんは川へ洗濯に。
ふたり仲良く暮らしていました。
*ある里におじいさんとおばあさんが住んでしていました。
おばあさんは、近所の人から洗濯物を預かり、洗濯の代行業を始めました。
そこそこの収入になってきたので、ふたりは会社をつくりました。
ある日のこと。
おじいさんとおばあさんは、消費税の計算方法について、語り合っていました。
「原則と簡易課税どちらにしましょうねえ」
「簡易課税には、なにやら制約があったはずだったな」
その会話にたまたま通りかかったアメリカの敏腕コンサルタントのジョンが口をはさんできました。
*敏腕コンサルタントのジョン
「じいさん、ばあさん。消費税、それも簡易課税の話をしているのかい? わたしは、簡易課税に詳しいぞ」
ジョンは常にアグレッシブです。
頼んでもいないのに、
「OK、レクチャーしよう。簡易課税についてだ。ええと、ウィキペディアによると・・・、簡易課税を選択するときは、注意が必要だぞ。まず、」
敏腕コンサルタントのジョンは、手元のスマホの画面を確認しながら、レクチャーします。
「まず、あらかじめのTODOKEDE(届け出)が必要だ」
「あらかじめとは?」
「そうしたい年の前年度中だ」
「それから、すぐにやめられないぞ」
「すぐとは?」
「for2years(2年間)だ。for2years、やめられない」
「もうひとつ。会社が大きくなりすぎてはいけない」
「大きくとは?」
「50millionYEN(5,000万円)だ。前々年度の売上が50millionYENを超えていたら、できない」
おじいさんは感に堪えないといった様子です。
「・・・パーフェクトだ。あらかじめのTODOKEDE、for2yearsやめられない、50millionYENの売上。心に沁みたよ。おぼえておこう、ジョン」
■簡易課税、3つの制約■
簡易課税には、つぎの制約があります。
簡易課税にしたい年度の前年度中に「消費税簡易課税制度選択届出書」を税務署に提出する必要があります
●2年間の継続
簡易課税を選択したら、2年間は簡易課税をやめられません
●ある規模以上の売上だとダメ
前々年度の課税売上高が5,000万円を超えていたら、簡易課税で計算することはできません
「ところで、ジョン、わしは簡易課税を選択するのがいいのだろうか。ゆっくりと相談にのってくれないか」
おじいさんは言いました。ひどく赤面しながら。
「・・・今夜逢ってくれる?」
ジョンはあわてて帽子をかぶり、葉巻をくわえると、こう答えました。
「そんな先のことはわからない」
それから、おじいさんに茶封筒を渡しながら、こう付け加えましたとさ。
「今のうちに請求書を渡しておこう。簡易課税のレクチャー代だ」
*ジョン「請求のことは忘れない。これがわたしの主義だ」
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