社長のためのじょりじょりわかる!税理士ブログ

ややこしいことを、ややこしくなく

借入金は利益から返すなんていうけど本当? 通帳から返してんですけど・・・、の巻

町田市の税理士 高橋浩之 です。


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 *人生はクローズアップでみれば悲劇。ロングショットでみれば喜劇
 (チャールズ・チャップリン)


利益と通帳の残高はちがう。利益が100出ても通帳の残高は100増えない。会計事務所の人はよくこんなことを言います。


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借入金は利益から返済する(?)

借入金は利益から返す。こんなこと聞いたことありませんか。会計事務所の人はそんなこと言いますし、会計の本にも書いてあります。借入金の返済財源は利益。これもおなじような意味です。どうおもいますか。

うん、そうか。借入金は利益から返すのか。専門家が言ったり、本に書いているんだらそうなんだろな。ふつうこうおもいます。でも、同時に、ちょっとピンとこないな。こうもおもうかも知れません。──いいんです。ピンとこなくても。なぜなら、利益は単に計算上の差額だから。計算上の単なる差額で借入金を返すなんて、ヘンです。

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借入金は通帳から返済する

利益は計算上の単なる差額です。そんな実体のないもので借入金は返せません。借入金は通帳から返します。通帳から引き落とされるますからね。借入金は通帳の残高から返すのです。

そんなのわざわざ言うまでもなく当たり前のこと。なのに、なんで借入金は利益から返すなんていうんでしょうね。それは、利益がないと通帳の残高は増えないから。

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利益がないと預金は増えない

利益がないと通帳の残高は増えません。でも、よく、利益と通帳の残高はちがうといいます。矛盾しているような気がしますね。じつは、利益と通帳の残高はちがうというのは短期的にみればのことなんですね。長~い目でみれば、この両者は同じなんです。

これまた当たり前のこと。「利益≠通帳の残高」だとすると、利益を出そうと頑張る意味がありません。利益の最終形はキャッシュです。時間がかかることはあるけれど、利益は通帳の残高を増やすのです。

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*クローズアップでみれば利益≠通帳の残高。ロングショットでみれば利益=通帳の残高


つまり、借入金は利益から返すとは、利益が預金の残高になって、通帳の残高から借入金を返す。この途中のところを省略しての言い方だったんですね。

 ●利益 が預金の残高になって、通帳の残高 から借入金を返す


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